Jun 26, 2018

ポピーねっとやまがた(連携SNS)現状報告~家族参画の効果からチーム連携まで~


●6月21日宅ケア研究会(会長:根本元医師会副会長)の定例勉強会で、ポピーねっとやまがた(医療・介護専用の連携SNS)の現状報告をさせていただきました。関心を持ってもらえるだろうかとの心配もありましたが、当日は医師7名を含む92名の方々が集まり、活発な意見交換が、交わされました。一部ご紹介いたします。
(当日の資料もPDFからご覧下さい。)

在宅医療・介護連携室ポピーの取組み

ICTを用いた多職種連携ポピーねっとやまがたの普及活動

 

 

<体験者からの報告、意見>

医師~「ポピーねっとを施設でも活用したいが、ターミナルで短期の関わりになる方などは、導入のタイミングが難しい。」

薬剤師~「以前は訪問しないと対象者(患者さん)の状況を把握できなかったが、このツールを使うと訪問した方が状況を投稿してくれる。変化を知ったり、チームと協働できたことで支援にも迅速に対応できたことが大きい。タイムラインを多職種が見るので、書いた後に、これは書いてもよかったのだろうかなど、考えてしまう時がある。」

ケアマネジャー~「褥創のある方の事例で使い、その変化、改善を一同が、目で見て共有できた。顔の見える関係があった上での活用だからこそ、良かった。前提として信頼関係があることは、大事だと思う。」

訪問看護師~「スマホの使用に長けた介護者家族がいて、メールで支援チームとやり取りしていた。この方なら使えると思ったのが出発点。介護者は、いくら退院指導を受けても、退院後はとても不安を持って毎日介護している。心配なことや、病院での説明でわからなかったことなど発信して、返信をもらえることで家族は安心が得られた(了解ボタンを押してもらえることで、介護者のやりがいにもなっている)。病院からのフォローにも使えるのではないかと感じる。病院にも知って欲しい。ipadの画像は鮮明でとても良い。」

クリニック看護師~「院長がITが苦手なので、看護師がフォローし、院長に見てもらっている。褥創の写真の共有で、改善の変化がわかり、院長も「これはいいナー」との言葉があった。薬剤師さんから助言をもらうなどにも活用できている。」

 

<会場からの質問、意見>

病院医師~「これからは、病院医師も地域へ出向く方向を考えている。地域との連携にSNSは有効だと思うが、対応で24時間PCに張り付いていなくてはならないのも大変である」(→ポピーから返答:24時間張り付く必要はなく、緊急性のあるものは電話で、コメントはは21時以降は発信しない・・などのルールも取り決めている。)「在宅医療の充実と言っても、地域格差が大きい。医療資源がない地域をどう考えるか。施策としても重要だ。山形市はその辺をどう考えるか」(→山形市から返答:事業をただやるだけではなく、各市町村の課題ととそれに対する細かな対応が必要。病院でも訪問診療をしてくれれば、開業医へのバックアップになる。)

病院看護部長~「今まで見えにくかった在宅看護師の頑張りがICTで見える化され、医師との連携、やりがいや自信にもつながっていると感じた」

薬剤師会代表~「ポピーねっとやまがたの自由グループがもっと有効な情報共有に使えるようポピーが発信して欲しい。また、ポピーねっとの手続きが簡便でないと入りにくい人が多いのではないか。」(ポピーから返答:手続きは利便性を図りたいが、個人情報保護のガイドラインに抵触しない範囲、リスク管理の必要性もご理解いただきたい。)

小児科医師~「地域の医療的ケア児のチーム連携にも使いたい」

<最後にポピーから>

「重度医療者の活用事例が多いが、リハ職からのアドバイスをチームで共有して自立支援に展開したり、認知症のチームケアにも使えるとイメージしている。活用を皆さんで広げていって欲しい」

 

・・・後日、ポピーねっとをお使いくださっている薬剤師よりコメントを頂戴しましたのでご紹介いたします。

多職種さん方とこれまでも共有、連携をとってはいましたが、私たち薬剤師は(情報を)遅れて知ることが多いなあと感じていました。しかし、ネットで繋がることにより、以前よりもずっと早く情報を得ることができるようになりました。早く情報を得るということは、早く対応もできるということで今回やらせて頂いて本当に良かったと思います。 在宅では、患者さん本人はもちろんですが、ご家族との係わりが大事になってきます。ささいな情報でも共有することにより、より温かい在宅ケアができるのではないかと思います。是非、多くの方に参加して頂けたらと思います。

 

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