Feb 26, 2018

ポピーインタビュー(VOL3.医師 大島扶美氏)

この度は、山形市を中心に幅広く医療・介護事業を展開されている大島扶美先生(医学博士、医療法人社団・社会福祉法人悠愛会 理事長)にお話をうかがいました。

 

 

 

 

 

 

 

                                                   


  • 出身地と現在のご家族構成を教えて下さい。

群馬県高崎市出身で、家族は子ども4人で1人は悠愛会事務局長として、運営の片腕になってくれています。他3人は医師で、末息子と同居しています。


  • 医師を目指されたきっかけは何ですか?

子ども時代、不幸にも医学から見放され、難病を抱えた従兄弟と暮らしました。18歳で亡くなる時、息絶え絶えの中でも「目の見える自分は幸せだった。目の見えない人は自分より辛いだろう。その人に自分の目をあげてほしい。」と言い残した彼の言葉に身震いしました。こうした病を何とかしなくてはとの思いで、医学を目指しますが、「女医は結婚できない。子どもも生めない。(当時)」と周囲は猛反対。始まったばかりの奨学金制度に受かり、何とか反対を押し切って進んだ医学の道ですが、道は険しかった。でも、教授のダメだしにも、決して負けずに頑張りぬきました。昭和43年に卒業。この43年卒には面白いエピソードがあります。当時は卒業しても、無報酬のインターン制度が待っていました。無報酬の仕事では生きていけない私をはじめとする全国の同期が、一丸となって反対運動を展開し、わずかではありますが報酬のある制度に変えることができたのです。当時の仲間とは今でも「花の43年卒」と呼び合っています。


  • ご主人(医師・故人)との出会いにも素敵なストーリーがあると聞きました。

夏休み前、クラブの先輩に「皮膚科の病院の実習に行こうか、料理教室に行こうか迷ってるの」と相談したところ、「皮膚科の実習がいいよ。料理は僕がやるよ」(それがプロポーズ!)。主人の母親が料理関係のプロだったので、息子も上手だった。だけど、結婚後は「釣り上げた魚に餌はやらないよ」ですって(笑)


  • 現在携わられている事業展開と先生のおおまかな1週間スケジュールを教えて下さい。

クリニック3ヶ所、老健3ヶ所、訪問看護ステーション2ヶ所、訪問介護事業所3ヶ所、地域包括支援センター、おれんじチーム、特養、グループホーム(6ユニット)、ケアハウス各1ヶ所を運営しています。月曜から土曜まで診療や法人業務に従事し、日曜も各部署からのON CALLに対応しています。

グループホームは通常6ユニットまでは許可されませんが、価値観や原因疾患も異なり、しかも認知症軽度の方と重度の生活障害がある方の共同生活は望ましい結果を生まない。それには6ユニットはどうしても必要と考えていたので、直接厚生省(現厚労省)担当局に掛け合いました。「あなたのような論拠は初めて聞いたが、大事なことだ」と6ユニットの許可がおりたのです。

おれんじチームこころの皆さんと(おれんじチームこころ=山形市の認知症初期集中支援チーム/悠愛会で受託)


  • 多忙な中いつも笑顔でいらっしゃる秘訣、趣味、ストレス解消法など

認知症の姑を介護し、介護家族の辛さは身にしみて知っています。当事者や家族を癒すには笑顔ですよ。だから、いつも笑顔でいるようにしています。趣味は歌うこと。とても歌が好きで、忙しいときは心の中でも歌ってます。小学校6年の時、地域の研究発表大会で優勝し、たまたま居合わせたコロンビアレコードの方の目に留まりスカウトもされたんです。「あなたは美空ひばりと違って、自分の言葉で語れる人だ」と言われましたが、親からは「歌で美空ひばりにかなうはずがない」と反対され、歌手はあきらめました。18番はね「青い山脈」と「憧れの郵便馬車」です。息子に勧められ、水中ウオーキングにも行ってます。泳げるようにもなりました。山形県スポーツトレーナー協会の会長でもあります。


  • 地域の多職種へのメッセージをお願いいたします。

支援は、お世話的ケアではなくて、自立支援であるべきです。人は働き続けること、生涯現役であることが元気の元。定年引退なんてとんでもない。年金がいただけるようになってからも、皆が人の役に立てるように、何らかの形で働き続けられるようにしていきたいですね。


       ・インタビューを終えて

ポジティブなエネルギーが、オーラになって輝いている大島先生。これまでの人生をうかがって、その波乱万丈の物語に魅了され、是非某TV局の朝ドラでドラマにして欲しいと策を練っているところです。

介護職の離職防止のために、介護負担軽減の自動寝返り支援ベッドもメーカーと共同開発し、自施設に導入されました。ブログにアップしてますので、そちらも是非ご覧下さい。(K・T)

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