【研修報告】最期まで安全に美味しく食べる~誤嚥性肺炎で入退院を繰り返さないための支援を学ぶ~
7月19日(土)14:00~山形市医師会4階大ホールにて
村山地域摂食嚥下機能支援協議会主催の標記研修会が開催されました。
村山地域の医療や介護に携わる様々な職種、そして高齢者だけではなく障がいに関わる事業所からもお申し込みをいただき、当日会場へは169名の皆様にご来場いただきました。
山形市医師会長 金谷透より 「開会の挨拶」 山形済生会病院消化器内科 中村由紀子医師より 報告「村山摂食嚥下機能支援協議会の発足と経緯について」
金谷医師会長による開会の挨拶の後、山形済生会病院消化器内科中村由紀子医師より、村山地域摂食嚥下機能支援協議会の発足と経緯についてご報告しました。
中村医師は実際に高齢者施設に出向いて摂食嚥下に問題を抱える利用者様に嚥下内視鏡を実施しており、高齢者施設では検査検査の嚥下機能の評価をチームで共有し根拠に基づいた食支援が行われています。現在その施設は7施設。今後の地域での展開が望まれています。
研修Ⅰ 摂食嚥下の診断と治療~地域全体で嚥下障害のレベルを上げるために~と題し、社会医療法人健和会健和会病院総合リハビリセンター長 の福村直毅医師よりご講演いただきました。福村先生は当時、嚥下障害患者の軽症者と超重度者の治療法しかなく、重症に見えないのに絶食や胃瘻になってしまうことに疑問を感じ、対応する治療を探さないと胃瘻は減らないと思われて、治療の方法健常者から重傷者まで安全に短時間で多量に食べられる完全側臥位法を発見されたそうです。明日から支援で実践することができる充実した内容でした。( 講座を拝聴しながら自分も横になって食べてみたくなりました(笑))
嚥下内視鏡に使うエアスコープ。コンパクトで持ち歩きがしやすく、これを用いてご夫婦で全国へ赴き診察されています。一患者3分程度で嚥下の状態が観察できるそうです。 社会医療法人健和会 健和会病院 総合リハビリセンター長 福村直毅医師
研修Ⅱ 「食べるを支える「真のケアの実践~看護師から見る摂食嚥下治療とは」同じく、社会医療法人健和会健和会病院の摂食嚥下障害看護認定看護師、福村弘子先生よりご講演いただきました。演題の「食べるを支える」を弘子先生は患者様の生活に寄り添いながら実践されており、診療後すぐに課題を解決しようとご自宅に伺って生活の場を実際に確認し、エンシュアの箱を使って食事台をつくり、どうすれば家族と一緒にご飯を食べることができるか、ご自分で食事ができるかを考え実践された事例がとても印象的でした。
社会医療法人健和会 健和会病院
摂食嚥下障害看護認定看護師 福村弘子先生在宅医療介護連携室ポピー室長 根本元より「閉会の挨拶」
最後に、ポピーの根本室長より閉会のご挨拶を行いました。講師の先生方に感謝を述べると共に、摂食嚥下というキーワードの元、会場が満席になるほどの多職種が一同に介し学ぶことができたとの喜びと感謝をお伝えされていました。

閉会後には講師の先生と参加者の皆様が一緒に写真撮影も行い、研修会を終えることができました。
最後に、今回研修会の開催にあたり広報にご協力くださった山形市及び多くの関係機関の皆様、そして猛暑の中ご参加くださった皆様ありがとうございました。
来年、摂食嚥下機能支援協議会では元山形大学学長で名誉教授、現在老人保健施設紅寿の里の施設長でいらっしゃる仙道富士郎先生を講師に市民公開講座を行う予定です。最期まで美味しくお食事を食べて楽しむことができる、そして人生の豊かさにつながる内容になるのではないかと思います。どうぞご期待ください。(鹿野)
鹿野